例 3:Windows ノードでのファイアウォール設定の構成
この例では、
Automation Config
を使用して構成設定をすばやく展開および管理するために状態ファイルを適用する方法について学習します。IT システム管理者または DevOps チーム メンバーのロールを持つユーザーが、多くのノードの構成設定を 1 つずつ手動で追加または更新する場合は時間がかかります。大規模な構成の場合は、特に時間がかかります。さらに、数百または数千のノードを同時に管理する必要がある場合は、構成の誤りや構成ドリフトが発生する可能性もあります。状態ファイル システムは、この問題を解決するのに役立ちます。この例では、状態ファイルと Automation Config
を使用して、Windows サーバのファイアウォール設定などの構成設定を一貫した方法で追加および更新する手順について学習します。この実践例では環境が変更されるため、実行する場合は注意が必要です。本番環境ではなく、テスト環境または開発環境内のノードを使用している場合に限り、この例を試すようにしてください。
Windows ノードでのファイアウォール設定の構成
ファイアウォールでポート 445 を開いて、Windows ミニオンでファイアウォール設定を構成するには、次の操作を実行します。
- Automation Configファイル サーバ内に新しいファイルを作成します。
- Automation Configユーザーインターフェイスのサイド メニューで構成] > [ファイル サーバをクリックします。
- 最初にファイル サーバワークスペースを開くと、ファイル ディレクトリと空の新しいファイルが表示されます。この空のファイルを使用して新しいファイルを作成します。
- ファイル サーバに新しい状態ファイル (SLS) を作成します。
- Saltenvドロップダウン メニューをクリックして、baseを選択します。
- ラベルなしのメニューの横に、ファイルパスとファイル名を入力します。/windows/firewall.slsを使用します。
- ファイルの本文に、次の状態ファイルのコード(YAML 構文を使用)をコピーして貼り付けます。open_smb_port: win_firewall.add_rule: - name: SMB (445) - localport: 445 - protocol: tcp - action: allowWindows ファイアウォール モジュールの詳細については、Salt モジュール - Win ファイアウォールを参照してください。
- 状態ファイルを保存します。
- 新しいファイルがファイル サーバ ディレクトリのbase > windows > firewall.slsに表示されていることを確認します。
- 新しいジョブを作成します。
- サイド メニューで設定] > [ジョブの順にクリックして、ジョブ ワークスペースを開きます。
- ジョブの作成ボタンをクリックします。[ジョブの作成] ボタンが表示されない場合は、新しいジョブを作成する権限がありません。チュートリアルを完了するために、ユーザーに代わってこのジョブにアクセスする方法、またはこのジョブを作成する方法については、VMware Aria Automationの管理者に確認してください。
- 新しいジョブの詳細を入力して、ジョブを保存します。フィールドサンプル値名前このジョブに「Windows ファイアウォールの構成」などのわかりやすい名前を付けます。説明「ファイアウォールで Windows ノードのポート 445 を開く」など、このジョブの目的を他のユーザーに伝える説明を追加します。コマンドsaltを選択します。saltコマンドは、ミニオンに対して実行されるジョブで使用されます。ターゲットこのメニューからは何も選択しないでください。このフィールドを空白のままにすると、ジョブの実行時にターゲットを選択できます。関数このフィールドをクリックして、「state.apply」と入力すると、このモジュールを選択できるようになります。このフィールドでは、このジョブの実行時に適用される Salt モジュールを選択します。環境メニューからbaseを選択します。状態windows.firewallメニューから新しく作成した状態ファイルを選択します。引数このモジュールでは引数を使用できないため、空白のままにします。ジョブ入力このジョブはジョブ入力を必要としないため、空白のままにします。ジョブ入力の詳細については、「ジョブの作成方法」を参照してください。
- ジョブが作成されたので、ジョブのターゲットを選択してジョブを実行します。
- サイド メニューでターゲットをクリックしてターゲット ワークスペースを開き、ターゲットを表示します。
- すべてのミニオンテーブルで、このジョブのターゲットにする Windows ミニオンを見つけます。このミニオンの横にあるチェックボックスをオンにして、ジョブの実行ボタンをクリックします。
- [ジョブの実行] ダイアログ ボックスでジョブメニューをクリックし、前の手順で作成した「Windows ファイアウォールの構成」ジョブを選択します。必要に応じて、ジョブの名前を入力してジョブをフィルタリングできます。
- 今すぐ実行をクリックします。ジョブが正常に実行された場合は、ジョブが正常に開始されたことを示す通知が表示されます。
- サイド メニューでアクティビティ] > [完了をクリックして、ジョブが完了しているかどうかを確認します。このテーブルにジョブが表示されない場合は、まだ処理中である可能性があります。現在実行中のジョブを確認するには、アクティビティ] > [処理中をクリックします。ジョブがテーブルに表示されるまで、アクティビティ] > [完了を継続的に更新します。
- ジョブが完了したら、ジョブの結果を確認します。
- ジョブが表示されている行を見つけて、その JID(ジョブ ID 番号)をクリックします。JID は、20 桁のハイパーリンク番号として表示されます。たとえば、有効な JID は 20210823204015061902 のようになります。
- ジョブの結果を確認して、ファイアウォールでポート 445 が開かれていることを確認します。
結果と主な情報の概要
ジョブの結果を確認する場合は、次の点を考慮してください。
- 状態ファイルは、対象となるノード セットに正しい構成設定(ファイアウォール設定など)をすばやく適用するための簡単な方法を提供します。状態ファイルを使用すると、一貫した方法でノードの構成設定を行い、これらの設定をあらゆる規模ですばやく、効率的に展開することができます。構成設定を変更する必要がある場合は、状態ファイルを更新し、ターゲットで定義されているすべてのミニオンに再適用するだけです。
- 状態ファイルは構成ドリフトも防止します。構成ドリフトとは、時間経過やノード間の差によってシステム構成の差異が増大することです。状態ファイルを適用すると、Automation Configはターゲットが目的の構成状態になっているかどうかを確認します。状態は構成ポリシーのようなものです。サーバに設定するターゲット状態を定義します。この状態(ポリシー)をシステムに適用すると、Automation Configは構成をこの状態(ポリシー)に準拠させるために必要な操作のみを実行します。構成がすでに準拠している場合、Automation Configはすでに準拠していることをユーザーに示して、それ以上の変更は行いません。
- この例では状態ファイルをAutomation Configファイル サーバにローカルに保存しましたが、バージョン管理されているプライベートな Git リポジトリに状態ファイルを保存できることに注意してください。多くのユーザーがプライベートな Git リポジトリにAutomation Configをリンクし、そこで infrastructure-as-code アプローチを使用して状態ファイルに対する変更を保存し、厳密に監視しています。